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2012/01/19

マボロシの鳥  太田光

 
¥1,575(送料無料)



新潮社
2010年10月発行
286ページ


目次:

荊の姫
タイムカプセル
人類諸君!
ネズミ
魔女
マボロシの鳥
冬の人形
奇跡の雪
地球発…



爆笑問題の太田光氏初の短編小説集。
図書館で予約していて、10ヶ月たちようやく借りることができた。人気ですね。

同小説で絵本も出ている。


プロの小説家ではないけれど、太田氏の本好きは有名。
仕事が終わるとすぐに帰宅し、部屋にこもり本の虫。

本好きが高じて自著を出せるとは、芸能人の特権。
文章の書き方や表現力などは、やはりプロではないと感じさせる多少稚拙なもの。
だが、いやなわけではない。お笑い芸人らしいユーモラスな部分もあり、身近に感じる文章だ。

9つの話はそれぞれ独立しているのだが、どことなく共通のものを感じる。それは、現在の日本ではなく、ひと昔前の日本人を描いたレトロな空気感。

おとぎ話のような、口伝えに耳にしたことのある話のような、どこか既存のものに太田氏の主観とひねりを加えたような印象の作品が多かった。

「荊(いばら)の姫」はまさに西洋のおとぎ話だ。
呪いにより全身荊に覆われてしまったお姫様は、少しでも動くと棘が刺さり血を流す。同時に涙を流す。
王子様が現れ強く彼女を抱きしめると、荊は消え去りめでたしめでたし。

過去の物語に自らの空想をプラスし、そこに多少の主張を加えたかのような1冊。

良くも悪くも、プロの書く小説とはだいぶ違う空気を味わえる。


太田光氏プロフィール

1965年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科中退。
1993年日本映画プロフェッショナル大賞新人奨励賞受賞。
2006年 芸術選奨文部科学大臣賞。


  
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